本記事では、日本国内の金柑(キンカン)の収穫量 都道府県ランキングを詳しく紹介します。データは「令和5年産 作況調査(果樹)」の確報(2024年3月公表)に基づいており、前年との比較、世界での生産動向、日本における栽培の課題や将来展望についても解説します。
金柑の収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 宮崎県 | 2,280 | 59.5% |
2位 | 鹿児島県 | 480 | 12.5% |
3位 | 熊本県 | 320 | 8.3% |
4位 | 和歌山県 | 290 | 7.6% |
5位 | 愛媛県 | 260 | 6.8% |
– | その他 | 200 | 5.3% |
金柑は宮崎県が生産量全体の約6割を占めており、圧倒的な首位を維持しています。特に完熟金柑「たまたま」は、宮崎ブランドとして知名度が高く、生食用金柑の全国流通を牽引する存在です。
金柑の収穫量を前年比較
令和4年産と令和5年産の収穫量変化を比較すると以下のようになります:
- 宮崎県:2,100t → 2,280t(+180t)
- 鹿児島県:500t → 480t(−20t)
- 熊本県:330t → 320t(−10t)
全国的にはやや増加傾向であり、とくに宮崎県での収量増が顕著でした。気象条件が安定していたこと、完熟系品種の需要拡大などが生産量増加に寄与しています。
日本の金柑生産量の実態
金柑の全国年間収穫量は約3,800トン前後で推移しており、他の柑橘類と比較するとニッチな規模です。
比較参考(令和5年産):
- みかん:約675,000t
- レモン:約14,000t
- カボス:約6,100t
- 金柑:約3,800t
ただし、金柑は皮ごと食べられる独自の特徴があるほか、冬場の生果販売・贈答用市場での人気が高く、地域ブランドや高付加価値路線での流通に特化している点が特徴です。
金柑の世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 200,000 |
2位 | 日本 | 3,800 |
3位 | フィリピン | 2,000 |
4位 | ベトナム | 1,200 |
5位 | 台湾 | 1,000 |
※FAO・各国農業省資料などを基に推計(キンカン属含む)
金柑は中国が圧倒的な生産量を誇りますが、日本産は完熟高品質品の代名詞として高い評価を得ています。輸出は限定的ながら、アジア圏では日本産の高級金柑への関心が高まっており、今後の市場開拓に期待が持たれます。
金柑の栽培状況と収量向上への課題
主な栽培地域と方式
- 主に温暖な九州・四国・紀伊半島沿岸部での露地栽培
- 「たまたま(金柑)」などはハウス栽培で管理された完熟出荷が主流
品種・ブランド
- 「たまたま(宮崎県)」:完熟系、糖度16度以上で生食向け
- 「ぷちまる」「こん太」などの新品種も拡大中
栽培課題
- 霜害や温暖化の影響での果皮障害
- 生食用は品質管理が非常に厳しい
- 労働集約的な収穫作業
- 出荷の平準化が難しい
これらの課題に対応するには、スマート農業技術の導入や選果自動化、園地の環境制御技術の普及が求められます。
日本産金柑の将来性
金柑は近年、健康志向や贈答需要の高まりにより再評価が進んでいます。特に「たまたま」に代表される完熟ブランド金柑の人気は全国的に高く、糖度・見た目・香りのバランスで唯一無二の魅力を発揮しています。
今後は:
- 地域ブランドの強化と高価格帯マーケットへの集中
- 6次産業化による加工品(ドライフルーツ・ジャム・果実酒)展開
- 観光農園や体験型販売との連携
- ドローンや環境センシングによる栽培効率化
などが進むことで、金柑の市場はより多様化・高付加価値化が進んでいくと見込まれます。
金柑とは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
金柑(キンカン)はミカン科キンカン属の常緑低木果樹で、学名はFortunella japonica。果皮が甘く、果肉は酸味が強いという特徴を持ち、丸ごと皮ごと食べられる柑橘類として珍重されています。
ビタミンCやβ-クリプトキサンチン、カルシウムを豊富に含み、風邪予防や喉のケアに有効とされる健康果実です。
代表品種の「たまたま」は、見た目・味ともに優れ、冬の贈答用としても人気が高まっています。食べ方は生食・甘露煮・シロップ漬け・ジュース・焼酎漬けなど多彩です。
金柑に関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本の金柑の生産量は?
A1: 年間約3,800トン前後で推移しており、主に宮崎県が全国生産の6割を占めています。
Q2: 金柑の主な生産地は?
A2: 宮崎県が圧倒的トップで、次いで鹿児島、熊本、和歌山、愛媛が続きます。
Q3: 金柑の収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 令和5年は宮崎県を中心に増加傾向で、全国合計でもやや増加しています。
Q4: 世界一の金柑生産国はどこ?
A4: 中国が最大の生産国で、日本は高品質品のニッチ市場を担っています。
Q5: 日本は金柑を輸入しているのか?
A5: 基本的に国産が中心で、輸入量はごくわずかです。
Q6: 金柑の価格はどのくらいか?
A6: 高級品では1パック800〜1,500円、生食・加工品の価格差が大きくなります。
Q7: 金柑は家庭で栽培できるか?
A7: 温暖な地域では鉢植えでも育てやすく、家庭果樹としても人気があります。
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