本記事では、日本国内のゆず(柚子)の収穫量 都道府県ランキングを中心に、世界の生産状況や国内の栽培課題、将来性までを網羅的に紹介します。データは農林水産省「令和5年産 作況調査(果樹)」確報(2024年3月公表)をもとに構成しています。
香り豊かで和食や加工品に欠かせないゆずは、地域特産品や輸出果実としても注目されています。この記事では、その最新動向を詳しく解説します。
ゆずの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 高知県 | 5,720 | 51.3% |
2位 | 徳島県 | 1,460 | 13.1% |
3位 | 愛媛県 | 820 | 7.3% |
4位 | 大分県 | 660 | 5.9% |
5位 | 宮崎県 | 520 | 4.7% |
6位 | その他 | 1,970 | 17.7% |
合計 | ― | 11,150 | 100.0% |
日本におけるゆずの生産は高知県が半数以上(5,720トン)を占めており、全国トップの産地です。続く徳島・愛媛・大分など、四国・九州地方が主産地として知られています。
ゆずの収穫量を前年比較
令和5年の全国収穫量は11,150トンで、前年(11,490トン)から約3%減少しました。
- 高知県:前年よりやや減少(▲170t)
- 徳島県・愛媛県:微減
- 大分県・宮崎県:横ばいまたはわずかに増加
- 全体的傾向:天候の影響や隔年結果性が主因
減少の要因としては、高温障害や開花時期の天候不良、栽培者の高齢化による手入れ不足などが影響しています。
日本のゆず生産量の実態
ゆずは日本における柑橘類の中でも加工・香酸柑橘として特化した作物です。以下は主要果実との比較です:
- 温州みかん:約55万トン
- いよかん:約2.6万トン
- レモン:約2,500トン
- ゆず:約11,000トン
ゆずは主に果汁・果皮・香料などの加工用途が中心で、生食用としての出荷は極めて少ない点が特徴です。
ゆずの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 約45,000 |
2位 | 日本 | 約11,000 |
3位 | 韓国 | 約3,500 |
4位 | フランス | 約200 |
5位 | アメリカ | 約100 |
6位 | オーストラリア | 少量 |
※FAO統計および各国農業機関推計(ゆず単体データは分類が少なく推定値含む)
ゆずは世界的に見ると、日本・中国・韓国の3ヵ国がほぼすべての生産を占める特殊な作物です。日本のゆずは品質と香りの高さで国際市場でも評価が高く、輸出品としての成長が期待されています。
ゆずの栽培状況と収量向上への課題
栽培地域と方式
- 高知県・徳島県を中心とした四国の中山間地域
- 露地栽培が主流だが、最近では防風ネットや雨よけ栽培も導入
- 傾斜地栽培が多く収穫・剪定などの作業負担が大きい
主な品種
- 本ゆず(多田錦・木頭ゆずなど)
- 稀に花ゆず(観賞用)もあるが、食用は本ゆずが中心
栽培課題
- 樹齢が長いため、古木更新が進まない
- 傾斜地での作業が重労働
- 若手就農者の不足
- 台風・強風による落果・傷果リスク
収量安定のためには、省力化技術の導入や平地栽培の拡大、苗木更新と担い手育成が不可欠です。
日本産ゆずの将来性
日本産ゆずは今後、以下のような方向での成長が期待されています:
- 地域ブランド化:高知県「馬路村のゆず」、徳島県「木頭ゆず」などGI取得・地名ブランド戦略
- 6次産業化:ゆず果汁、ポン酢、ジャム、ピール、アロマオイルなど多彩な商品化
- 輸出拡大:欧米・アジア市場での「和食材」としての認知が拡大中
- スマート農業技術:傾斜地用収穫アシスト機器、ドローンによる開花期管理
- 観光資源としての活用:農園見学、ゆず風呂体験、ゆず祭りなどとの連携
香りと風味という“体験価値”を伴う果実として、ゆずは日本独自の強みを発揮しています。
ゆずとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
ゆず(柚子)はミカン科ミカン属の香酸柑橘類で、日本では古くから薬味や香料、保存食に活用されてきました。食用部分は果汁・果皮で、生食には適しません。
栄養面ではビタミンC、クエン酸、リモネン(香気成分)、カリウムなどが含まれ、免疫強化・リラックス効果・血行促進が期待されています。
代表品種は「本ゆず」「多田錦」「木頭ゆず」などで、料理用・加工用・精油原料など多様な活用が可能です。
ゆずに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のゆずの生産量は?
A1: 令和5年の収穫量は約11,150トンで、主に高知県と徳島県で生産されています。
Q2: ゆずの主な生産地は?
A2: 高知県が全国の約半数以上を占め、徳島、愛媛、大分、宮崎などが続きます。
Q3: ゆずの収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 前年比で約3%減少し、天候不順や栽培面積の減少が影響しています。
Q4: 世界一のゆず生産国はどこ?
A4: 中国が最大生産国ですが、日本の品種は香り・品質で高く評価されています。
Q5: 日本はゆずを輸入しているのか?
A5: 一部の精油や加工品原料を輸入するケースはありますが、基本的には国産中心です。
Q6: ゆずの価格はどのくらいか?
A6: 生果で1kgあたり400〜800円程度、加工品は用途により幅広い価格帯です。
Q7: ゆずは家庭で栽培できるか?
A7: 耐寒性もあり、庭植え・鉢植えどちらも可能です。実が成るまで数年かかりますが人気の家庭果樹です。
コメント