本記事では、日本国内のエリンギの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。データは農林水産省の「令和4年特用林産物生産統計調査(きのこ類)」(2025年2月公表)に基づいています。
エリンギは、独特の歯ごたえと旨味が特徴のきのこで、炒め物やバターソテー、煮物など様々な料理に使われます。この記事では、都道府県別の生産動向、前年との比較、世界各国との生産比較、さらには栽培の課題と将来展望まで、幅広く解説します。
エリンギの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | 長野県 | 13,877 | 24.6 |
2 | 新潟県 | 11,584 | 20.5 |
3 | 熊本県 | 7,109 | 12.6 |
4 | 岩手県 | 4,308 | 7.6 |
5 | 福岡県 | 2,722 | 4.8 |
6 | 秋田県 | 2,411 | 4.3 |
7 | 北海道 | 2,214 | 3.9 |
8 | 宮崎県 | 1,776 | 3.1 |
9 | 群馬県 | 1,705 | 3.0 |
10 | 青森県 | 1,626 | 2.9 |
長野県と新潟県で全体の約45%を占めており、日本のエリンギ生産をけん引する2大産地です。いずれも設備型の人工栽培施設が整っており、安定した出荷が可能です。熊本県や岩手県など、地方の工場型きのこ生産も増加しています。
エリンギの収穫量を前年比較
令和3年→令和4年の主な変動は以下の通りです:
- 長野県:+1.8% … 施設更新による生産性向上
- 新潟県:▲0.6% … 生産体制横ばい
- 熊本県:+3.5% … 需要増に対応し出荷増加
- 岩手県:+2.0% … 天候に左右されにくい施設栽培が安定推移
エリンギは人工環境下での施設栽培が中心のため、気象影響を受けにくく、供給が比較的安定しています。そのため、外食・加工業界からの信頼が高い品目です。
日本のエリンギ生産量の実態
日本の年間エリンギ生産量は約56,400トンで、きのこ類全体の中ではぶなしめじ・えのきたけに次ぐ第3位の出荷量です。生鮮品としての用途が中心で、家庭・業務用の両市場で安定した需要があります。
- 加工用よりも生鮮青果向けが中心
- 出荷は通年供給が基本で、スーパー・外食産業に欠かせない商材
- 地方企業による大型工場型生産施設が増加中
エリンギの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(推定 t) |
---|---|---|
1 | 中国 | 約500,000 |
2 | 韓国 | 約50,000 |
3 | 日本 | 約56,000 |
4 | アメリカ | 少量(試験・一部商業化) |
5 | その他アジア | 不明(局所的) |
中国が圧倒的な生産量を誇り、韓国・日本が続く構図です。ただし日本は品質・規格・日持ち・安全性において高評価を受けており、アジア圏での輸出ニーズも拡大傾向にあります。
エリンギの栽培状況と収量向上への課題
栽培方式
- 完全人工栽培(空調・湿度管理された培養施設)
- 菌床栽培(オガクズと米ぬかを主成分としたブロック培地)
- 1サイクル:約90〜100日程度(接種から収穫まで)
栽培課題
- 設備投資コスト:空調設備・菌床資材・人件費
- 価格競争:量販店での低価格競争が採算圧迫
- エネルギーコスト:電力・燃料価格の高騰
- 需給バランス:天候に左右されにくいため過剰供給の懸念も
近年では、再生可能エネルギー利用施設・省エネ設計・IoT制御型スマート工場の導入が進み、持続可能なエリンギ生産の確立が模索されています。
日本産エリンギの将来性
今後のエリンギの成長可能性として、以下の視点が注目されています:
- 高機能性食品としての認知拡大(食物繊維、βグルカン含有)
- カット・ミールキット需要の拡大
- 冷凍・乾燥・加工食品としての活用
- 輸出市場の開拓(台湾、香港、シンガポールなどアジア圏)
- スマート工場型農業への転換
とくに、ベジミート的食感やグルテンフリー食材としての応用も検討されており、新たな市場価値の創出が期待されています。
エリンギとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
エリンギ(Pleurotus eryngii)はヒラタケ科ヒラタケ属のきのこで、ヨーロッパ・地中海原産の品種が日本で人工栽培用に改良されました。主に**子実体(柄と傘)**を食用とします。
栄養価としては:
- **食物繊維(不溶性)**が豊富
- ナイアシン・ビタミンB1・カリウムも含む
- 低カロリー・低糖質
歯ごたえのある食感と旨味成分(グルタミン酸)が特徴で、炒め物、ソテー、パスタ、スープ、鍋料理などに広く利用されます。味が淡泊なため他素材との相性も良好です。
エリンギに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のエリンギの生産量は?
A1: 年間約5.6万トンで、きのこ類の中でも上位の出荷量を誇ります。
Q2: 主な産地はどこ?
A2: 長野県・新潟県・熊本県の3県で全国の過半数を占めています。
Q3: エリンギの収穫量は前年と比べてどう?
A3: 概ね横ばいまたは微増傾向にあり、施設更新や需要増が影響しています。
Q4: 世界最大のエリンギ生産国は?
A4: 中国が圧倒的に多く、続いて韓国、日本が主要生産国です。
Q5: エリンギは輸入されていますか?
A5: 基本的には国産中心ですが、ごく一部加工用や業務用に輸入実績があります。
Q6: エリンギの価格は?
A6: 小売価格は1パック100~150円前後で安定しています。
Q7: エリンギは家庭で栽培できますか?
A7: 専用キットが市販されており、家庭でも簡易的に育てることが可能です。
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