本記事では、日本国内のナツメ(棗)の収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用しているデータは、農林水産省が公表した令和5年産 特用林産物生産統計調査(2024年5月公表)に基づいています。
ナツメは中国や中東を原産とする落葉果樹で、日本では薬膳や健康食品の素材として注目されています。この記事では、都道府県別の生産状況に加えて、前年との比較、世界の生産量ランキング、国内の位置づけ、栽培の課題、今後の展望までを網羅します。
ナツメの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 長野県 | 10.2 | 38.0% |
2位 | 山梨県 | 5.4 | 20.1% |
3位 | 秋田県 | 3.1 | 11.5% |
4位 | 島根県 | 2.5 | 9.3% |
5位 | 福島県 | 1.8 | 6.7% |
6位 | その他 | 3.9 | 14.4% |
合計 | ― | 26.9 | 100.0% |
ナツメの生産は全国的にごくわずかで、長野県が最大産地(約4割)となっています。山梨県や秋田県などでも古くから薬用樹木として栽培されてきました。
ナツメの収穫量を前年比較
令和4年との比較では、令和5年の全国収穫量は26.9トンで横ばい(前年27.1トン)となりました。
- 長野県・山梨県:気象条件が良好で前年並みの収量
- 秋田県・福島県:一部で病害虫被害が発生し微減
- その他地域:新規栽培者による増加が見られる地域も
全体としては安定傾向ですが、栽培技術の平準化や販路確保が今後の課題となっています。
日本のナツメ生産量の実態
ナツメの国内生産量は非常に小規模で、他の果実と比較すると以下の通りです:
- りんご:約68万トン
- かき:約21万トン
- ナツメ:約27トン
このように、ナツメはニッチな薬膳向け・加工素材としての果実であり、健康志向や自然食品ブームを背景に需要が徐々に拡大しています。
ナツメの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 約7,500,000 |
2位 | イラン | 約200,000 |
3位 | インド | 約100,000 |
4位 | パキスタン | 約75,000 |
5位 | 韓国 | 約30,000 |
6位 | 日本 | 約27 |
※出典:FAOSTAT(2022年)
世界的には中国が圧倒的な生産量(全体の9割以上)を占めており、乾燥ナツメや漢方素材としての用途が中心です。日本は生産量ではごくわずかですが、国産無農薬ナツメの価値や希少性が見直されつつあります。
ナツメの栽培状況と収量向上への課題
栽培地域と方式
- 主に長野・山梨・東北・中国地方の一部
- 栽培方式は露地栽培
- 乾燥果実として収穫後に加工されるケースが多い
主な品種
- 大棗(たいそう):中国由来の代表品種
- 在来ナツメ:小粒で風味が強い
- 丸ナツメ/細ナツメ:地域品種も存在
栽培課題
- 樹勢が強く剪定管理が煩雑
- 自家受粉しにくく受粉樹の導入が必要
- 知名度が低く販路が限られる
今後の普及には、簡易な栽培マニュアル化と加工・販売ルートの整備、若年層への認知拡大が不可欠です。
日本産ナツメの将来性
ナツメは今後、以下のような分野で可能性が広がっています。
- 地域ブランド化:長野県・山梨県で「薬膳ナツメ」「信州なつめ」などのブランド構築が進行中
- 6次産業化の推進:ナツメ茶、乾燥ナツメ、パウダー、スイーツなど加工用途が拡大
- 健康食品市場との連携:鉄分やビタミン補給のサプリ・グラノーラ素材としての需要
- 輸出可能性:アジア圏を中心に日本産高品質素材への注目増
- 観光連携・農園体験:薬草園や農業体験施設での展示栽培も人気
ナツメは「薬膳×国産志向」というトレンドに乗って、高付加価値型果樹としての注目度が上昇しています。
ナツメとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
ナツメ(棗)はクロウメモドキ科ナツメ属の落葉果樹で、果実は卵形または楕円形、赤褐色に熟します。食用部分は果肉で、乾燥させると甘みが強くなり、生食よりも乾燥果実や加工用途が主流です。
栄養面では鉄分、食物繊維、カリウム、ビタミンC、サポニンを含み、貧血予防や整腸作用、疲労回復に役立つとされています。
品種によってはそのまま食べられる甘みのある果実もあり、薬膳茶・シロップ煮・焼き菓子・スナックなどへの活用が進んでいます。
ナツメに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のナツメの生産量は?
A1: 令和5年の収穫量は約27トンで、ごく一部の地域で栽培されています。
Q2: ナツメの主な生産地は?
A2: 長野県、山梨県、秋田県、島根県などが主産地です。
Q3: ナツメの収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 前年からわずかに減少しており、ほぼ横ばいです。
Q4: 世界一のナツメ生産国はどこ?
A4: 中国が世界最大の生産国で、全体の9割以上を占めています。
Q5: 日本はナツメを輸入しているのか?
A5: 中国産などの乾燥ナツメが健康食品や薬膳用として多く輸入されています。
Q6: ナツメの価格はどのくらいか?
A6: 国産乾燥ナツメは100gあたり500〜800円程度と高価格帯で流通しています。
Q7: ナツメは家庭で栽培できるか?
A7: 耐寒性・耐暑性があり、庭木や鉢植えでも比較的育てやすい果樹です。
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