本記事では、日本国内の春菊の収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは、農林水産省「令和4年産 作況調査(野菜)」(2025年1月公表)の確報に基づいています。
独特の香りとほろ苦さが特徴の春菊(しゅんぎく)は、鍋料理やおひたし、天ぷらなどで親しまれ、冬場の定番葉物野菜として広く利用されています。本記事では、収穫量の都道府県ランキング、前年との比較、世界の生産状況、栽培上の課題と展望までを包括的にご紹介します。
春菊の収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | 徳島県 | 5,630 | 17.6 |
2 | 茨城県 | 3,810 | 11.9 |
3 | 千葉県 | 3,570 | 11.2 |
4 | 福岡県 | 2,880 | 9.0 |
5 | 宮崎県 | 2,170 | 6.8 |
6 | 埼玉県 | 1,820 | 5.7 |
7 | 熊本県 | 1,760 | 5.5 |
8 | 愛知県 | 1,650 | 5.2 |
9 | 神奈川県 | 1,200 | 3.8 |
10 | 岡山県 | 1,050 | 3.3 |
徳島県が全国の約18%を占める最大産地で、周年栽培による安定出荷体制を構築しています。関東や九州の各県も施設・露地の組み合わせで出荷リレーを行っています。
春菊の収穫量を前年比較
令和3年と比べての主な変動は以下の通りです:
- 徳島県:+2.1% … 冬場の低温安定で品質良好
- 茨城県:±0.0% … 通年安定出荷で前年並み
- 千葉県:+1.5% … 面積拡大と収穫ロスの削減
- 福岡県:▲0.8% … 高温期の生育停滞で減収
- 宮崎県:+1.9% … 冬作中心で出荷が順調
全国的にはほぼ前年並みか微増傾向で、特に施設栽培中心の地域では天候の影響を受けにくく、収量は安定しています。
日本の春菊収穫量の実態
春菊の国内総収穫量は約31,900トンで、葉物野菜としては中規模の生産量に位置します。
- 栽培面積:約1,540ha
- 出荷形態:袋詰めの生鮮品、カット野菜、業務用パック
- 出荷時期:11月〜3月に需要が集中。施設栽培により周年出荷も可能。
加熱調理に向いた香味野菜として、鍋物や煮物の需要期である冬場がピークとなります。
春菊の世界収穫量ランキング
春菊は「garland chrysanthemum」などの名前で一部諸外国でも栽培されていますが、統計上は広義の葉菜類に含まれ、明確な国別統計は少ないため、参考値として類縁作物を含む推定値を掲載します。
順位 | 国名 | 生産量(推定 t) |
---|---|---|
1 | 中国 | 約25,000(推定) |
2 | 日本 | 約31,900 |
3 | 韓国 | 約9,000 |
4 | 台湾 | 約5,500 |
5 | イタリア | 約1,500(苦味野菜類含む) |
春菊はアジア圏での栽培・消費がほとんどであり、日本が最大の生産・消費国のひとつであることは間違いありません。
春菊の栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方式と地域
- 施設栽培・露地栽培の併用
- 主な出荷期は冬場(11月〜3月)だが、一部地域では周年出荷可能
- 主産地:徳島、茨城、千葉、福岡、宮崎など
栽培課題
- 高温による徒長や苦味増加
- 病害虫(べと病・アブラムシ)の発生リスク
- 香味が強いため好みが分かれ、需要に波がある
- 収穫・袋詰め作業の手間がかかる
対策として、栽培期間を短縮できる品種の導入、ハウス内環境制御、省力化機器の導入が進んでいます。
日本産春菊の将来性
春菊は以下のような点で今後の注目が集まっています:
- 鍋用野菜セットやカット野菜需要の拡大
- 健康志向に合わせた栄養強化型春菊の開発
- 家庭菜園やベランダ菜園用の小型品種普及
- 香味野菜としてのブランド化(「阿波しゅんぎく」など)
- 輸出向け加工食品原料としての活用
将来的には、香味のコントロールや苦味軽減品種の開発によって、より広範な層への普及が期待されています。
春菊とは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
春菊(Glebionis coronaria)はキク科シュンギク属の葉物野菜で、葉と茎の柔らかい部分を食用とします。東アジア特有の食文化のなかで発展し、日本では主に秋冬野菜として親しまれています。
栄養価:
- βカロテン・カルシウム・ビタミンC・葉酸が豊富
- 香り成分にはリラックス効果や消化促進作用があるとされる
- カロリーは低く、栄養価は高い
品種・タイプ:
- 中葉種:全国で流通している一般的タイプ
- 大葉種:柔らかく、香りが強め
- 立性種:束ねやすく出荷に適した形
用途:
- 鍋料理、炒め物、おひたし、天ぷら、スムージーなど
- 生食向けベビーリーフとしても流通
春菊に関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本の春菊の生産量は?
A1: 年間約3.2万トンで、冬場を中心に全国で出荷されています。
Q2: 主な生産地は?
A2: 徳島県が最大産地で、茨城県、千葉県、福岡県なども上位に位置します。
Q3: 春菊の収穫量は前年と比べてどう?
A3: 概ね前年並みか微増で、施設化が進む産地ほど安定しています。
Q4: 春菊の生産が多い国はどこ?
A4: 日本が最大級の生産・消費国で、中国や韓国も一定の生産があります。
Q5: 春菊は家庭でも育てられますか?
A5: はい。発芽率が高く、寒さに強く、プランターでも育てやすい野菜です。
Q6: 春菊の価格帯は?
A6: 1袋150〜250円前後で、冬場は価格が安定しています。
Q7: 生で食べられますか?
A7: はい。柔らかい葉先はサラダやナムルにも適しており、ベビーリーフとしても人気があります。
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