本記事では、日本国内のびわの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。
使用データは、農林水産省「令和5年産 作況調査(果樹)」の確報(2024年3月公表)に基づいています。
最新の収穫量上位県や前年からの増減、国内における生産規模、さらに世界主要国との比較や、びわの栽培課題・将来性まで網羅して解説します。
びわの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
1位 | 長崎県 | 758 | 45.4 |
2位 | 千葉県 | 493 | 29.5 |
3位 | 鹿児島県 | 163 | 9.8 |
4位 | 静岡県 | 69 | 4.1 |
5位 | 愛媛県 | 47 | 2.8 |
6位 | 和歌山県 | 35 | 2.1 |
7位 | 三重県 | 19 | 1.1 |
8位 | 熊本県 | 17 | 1.0 |
9位 | 神奈川県 | 12 | 0.7 |
10位 | その他 | 67 | 4.0 |
全国計 | 1,683 | 100.0 |
(出典 農林水産省「作況調査(果樹)」令和5年産)
びわの収穫は、長崎県と千葉県が全国の約75%を占めるという圧倒的な偏重構造になっています。特に長崎県の茂木びわ、千葉県の房州びわは全国的にも知られたブランドであり、びわ産業の中心地となっています。
びわの収穫量を前年比較
令和5年のびわ収穫量(1,683t)は、前年(令和4年)の1,872tに比べて約10%減少しました。
- 長崎県 ▲6%(令和4年 804t → 令和5年 758t)
- 千葉県 ▲15%(令和4年 578t → 令和5年 493t)
- 鹿児島県 微減(170t → 163t)
特に千葉県の減少幅が大きく、開花時期の霜害や病虫害、天候不順の影響が考えられます。収穫量の減少は、びわの栽培が自然条件に大きく左右される繊細な果実であることを物語っています。
日本のびわ生産量の実態
日本におけるびわの年間収穫量は約1,600〜2,000t前後で推移しており、果物全体の中では中規模クラスに位置づけられます。
比較として
- りんご 約70万t
- みかん 約65万t
- もも 約13万t
- びわ 約1,600t
びわは生食用が中心で、皮むきなどの手間や日持ちの短さから流通量は限定的です。また、主に温暖な沿岸部での栽培が多く、地域に根ざした特色が強い果物です。
びわの世界生産量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
1位 | 中国 | 約51万 |
2位 | インド | 約9万 |
3位 | パキスタン | 約6万 |
4位 | トルコ | 約2万 |
5位 | イラン | 約1.8万 |
6位 | 日本 | 約1,700 |
(出典 FAOSTAT 2022年時点)
びわの世界最大の生産国は中国で、全体の約80%以上を占めています。日本は量的には6位ですが、品質面やブランド価値では高い評価を受けています。輸出よりも国内高級果実市場向けの流通が中心です。
びわの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培地域と方式
- 長崎県・千葉県・鹿児島県を中心に、温暖な海沿い地域での露地栽培が主流。
- 近年はハウス栽培による早期出荷も一部導入。
品種
- 長崎県 「茂木」「長崎早生」
- 千葉県 「大房」「田中」
- 大粒系の高級品種「なつたより」なども登場
栽培課題
- 霜害・病虫害のリスクが高い
- 開花・結実時期の気象変動に弱い
- 担い手不足と高齢化
- 出荷時の傷つきやすさによるロス
今後は、防霜ファンの導入やICT活用による適期管理、若手農家への継承支援などが重要になります。
日本産びわの将来性
びわは今後、以下のような方向での展望が期待されています:
- 「房州びわ」「茂木びわ」など地域ブランド化の強化
- 観光農園やびわ狩りなどとの連携による6次産業化
- びわゼリー・コンポートなど加工品の需要拡大
- スマート農業導入による省力化と品質向上
- アジア向けの輸出トライアルと海外販路開拓
希少価値の高い国産びわの魅力を、ブランド力と技術革新の両面で伸ばしていくことが鍵となります。
びわとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
びわはバラ科ビワ属の果実で、食用部位はオレンジ色の果肉部分です。
甘酸っぱくみずみずしい味わいが特徴で、ビタミンC・カリウム・βカロテンなどを豊富に含みます。
主要品種には「茂木」「田中」「長崎早生」などがあり、生食用の高級フルーツとして贈答にも人気があります。果皮が薄く傷みやすいため、鮮度の高いうちに食べるのが一般的です。
びわに関するよくある質問【FAQ】
Q1 日本のびわの生産量は?
A1 年間約1,600〜2,000トンで推移しており、果実全体では中規模な品目です。
Q2 びわの主な生産地は?
A2 長崎県(茂木びわ)、千葉県(房州びわ)、鹿児島県が中心です。
Q3 びわの収穫量は前年と比べてどうか?
A3 令和5年は前年より約10%減少しており、天候不順が影響しました。
Q4 世界一のびわ生産国はどこ?
A4 中国が最大で、世界全体の約80%以上を占めます。
Q5 日本はびわを輸入しているのか?
A5 基本的にびわは国内生産中心で、輸入量は非常にわずかです。
Q6 びわの価格はどのくらいか?
A6 品種や産地によりますが、1パック(3〜5個)で500〜1,000円程度が一般的です。
Q7 びわは家庭で栽培できるか?
A7 温暖な地域では鉢植えや庭植えで栽培可能ですが、結実には適切な剪定と防寒対策が必要です。
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