本記事では、日本国内のカボスの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。データは「令和5年産 作況調査(果樹)」の確報(2024年3月公表)に基づいており、前年との比較や世界の生産状況、国内の栽培実態や将来展望まで網羅的に紹介します。
カボスの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 大分県 | 5,800 | 94.5% |
2位 | 宮崎県 | 150 | 2.4% |
3位 | 熊本県 | 80 | 1.3% |
4位 | 愛媛県 | 50 | 0.8% |
5位 | その他 | 55 | 0.9% |
カボスの収穫量は大分県が圧倒的なトップを占めており、全国の約95%を占有しています。続く宮崎県や熊本県も栽培はあるものの、規模は限定的で、大分県の特産果樹としての地位が際立っています。
カボスの収穫量を前年比較
令和4年(2022年)と令和5年(2023年)の比較では以下のような変動がありました。
- 大分県:5,700t → 5,800t(+100t)
- 宮崎県:160t → 150t(−10t)
- 熊本県:85t → 80t(−5t)
全国合計では前年から微増傾向で、特に大分県での安定的な収量維持が全体を支えています。一方で九州以外の地域では依然として生産規模は小さく、地域偏在の大きさがカボスの特徴でもあります。
日本のカボス生産量の実態
日本の年間カボス収穫量はおよそ6,100トン前後で推移しており、果実全体から見ればニッチな部類に入ります。
比較対象(令和5年産):
- みかん:約675,000t
- りんご:約725,000t
- レモン:約14,000t
- カボス:約6,100t
このように、調味用・加工用途中心の香酸柑橘であるカボスは、他果実と比べて圧倒的に生産量が少ないですが、地域ブランド化が進んでいる点が大きな特徴です。特に「大分かぼす」は知名度が高く、飲食店や土産品でも広く活用されています。
カボスの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | メキシコ | 2,400,000 |
2位 | インド | 2,000,000 |
3位 | 中国 | 1,900,000 |
4位 | アルゼンチン | 1,800,000 |
5位 | ブラジル | 1,200,000 |
6位 | アメリカ | 800,000 |
– | 日本(カボス) | 6,100 |
※FAO(国連食糧農業機関) Citrus Production, 2023年推定
日本のカボスは国際統計上では「ライム」や「その他の柑橘」に分類されるため比較が難しいものの、全体の生産量で見ると世界の柑橘類生産量とは大きな差があります。一方で、日本産は高品質・低農薬・産地表示の明確さで高く評価されており、今後の輸出強化が期待されています。
カボスの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培地域と方式
- 大分県を中心に、宮崎・熊本・愛媛などの温暖な地域で露地栽培が中心
- 一部ではハウス栽培による通年出荷も開始されている
品種・ブランド
- 代表品種は「本カボス」
- 「大分かぼす」はGI(地理的表示保護制度)認定品
- 果皮が薄く果汁豊富な品種が好まれる傾向
栽培課題
- 霜害や台風など気象リスク
- 担い手不足や高齢化
- 病虫害(かいよう病など)
- 安定した出荷・収益確保が困難な小規模農家の存在
こうした課題に対応するためには、若手農家の参入支援、ICTを活用した気象予測、病害予防の技術普及などが求められています。
日本産カボスの将来性
今後のカボス市場には以下のような明るい展望があります。
- 「大分かぼす」など地域ブランドの浸透と販路拡大
- **6次産業化による加工品(果汁・ドレッシング・スイーツ)**の多様化
- 温泉地・観光地とのコラボによる農業観光体験の充実
- 海外の健康志向市場への輸出強化
- スマート農業やIoT導入による効率的な栽培管理
これらの施策が進展すれば、カボスは今後も「香酸柑橘の国産代表格」としてさらなるポジション強化が見込まれます。
カボスとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
カボスはミカン科ミカン属に属する香酸柑橘の一種で、果汁を主に調味用として利用します。食用部分は果汁で、ビタミンCやクエン酸、カリウムが豊富に含まれており、抗酸化作用や疲労回復効果が期待されます。
主な品種は「本カボス」で、大分県の「大分かぼす」は全国的に有名な地域ブランド。消費スタイルは焼き魚や鍋料理への添え、果汁加工品、清涼飲料水など多岐に渡っています。
カボスに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のカボスの生産量は?
A1: 年間およそ6,100トン前後で推移しており、香酸柑橘としては重要な品目です。
Q2: カボスの主な生産地は?
A2: 大分県が全国シェアの約95%を占めており、国内最大の産地です。
Q3: カボスの収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 全国的には微増で推移していますが、地域によってはやや減少傾向も見られます。
Q4: 世界一のカボス生産国はどこ?
A4: カボス単独の統計はありませんが、ライム類としてはメキシコが最大の生産国です。
Q5: 日本はカボスを輸入しているのか?
A5: カボスそのものの輸入はほとんどなく、国産が中心です。
Q6: カボスの価格はどのくらいか?
A6: 生鮮品で1個あたり100〜150円程度、果汁加工品は用途により価格差があります。
Q7: カボスは家庭で栽培できるか?
A7: 温暖地域では鉢植えや露地栽培も可能で、初心者にも比較的育てやすい果樹です。
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