本記事では、日本国内のデコポンの収穫量 都道府県ランキングを中心に、前年との比較、世界の生産状況、栽培課題、今後の展望までを網羅的に解説します。
使用するデータは、令和5年産 作況調査(果樹)確報(2024年3月公表)に基づいています。
デコポンの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 熊本県 | 17,600 | 30.2 |
2位 | 愛媛県 | 14,000 | 24.0 |
3位 | 佐賀県 | 6,100 | 10.5 |
4位 | 和歌山県 | 5,200 | 8.9 |
5位 | 長崎県 | 3,700 | 6.4 |
出典:農林水産省「令和5年産 作況調査(果樹)確報」🔗
熊本県が全国トップの生産量を誇り、「デコポン」の名称使用権を最初に得た県でもあります。
愛媛・佐賀・和歌山など、温暖な沿岸地域でも生産が盛んで、出荷のピークは冬から春にかけてです。
デコポンの収穫量を前年比較
- 令和4年:57,300トン
- 令和5年:58,300トン(+1.7%の増加)
2023年は春先からの気温と日照に恵まれ、果実肥大・糖度のバランスが良好な年となりました。
隔年結果の影響も比較的小さく、全国的に安定した出荷量となっています。
日本のデコポン生産量の実態
デコポンは「不知火(しらぬい)」という品種の中で、糖度13度以上・酸度1.0%以下などの基準をクリアした高品質果実にのみ許される登録商標です。
年間生産量はおよそ5.8万トン程度で、中晩柑類の中では極めて人気が高い品種です。
果皮が厚めでデコ(突起)が目立つ外観ながら、簡単に皮がむけて種も少なく食べやすいという特長から、贈答用や家庭用どちらでも非常に高評価を得ています。
デコポンの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 約220,000(不知火系) |
2位 | 韓国 | 約50,000(漢拏峰など) |
3位 | 日本 | 約58,300(うち「デコポン」は選別品) |
4位 | 台湾 | 約5,000 |
5位 | アメリカ | 試験栽培レベル |
※「デコポン」は日本独自の商標名であり、世界では「不知火(Shiranui)」系の名称で流通しています。
中国や韓国でも「不知火」系の栽培が広がっていますが、品質・糖酸バランスの点では日本産がトップクラスと評価されています。
デコポンの栽培状況と収量向上への課題
デコポンの栽培は温暖な地域の露地およびハウス栽培が中心で、以下のような特徴があります。
- 栽培方式:露地/ハウスの両方で栽培され、完熟収穫後に貯蔵して酸抜けを図る方法が一般的
- 品種名:「不知火(しらぬい)」が正式品種名、「デコポン」は商標名
- 主な課題:
- 果実裂果(特に雨が多い年)
- 果実肥大と糖度のバランス管理
- 隔年結果(1年ごとの収量変動)
- 樹勢の維持と剪定作業の負担
近年は、スマート農業技術や果実モニタリングシステムの導入によって、品質安定や省力化への取り組みが進んでいます。
日本産デコポンの将来性
デコポンはすでにブランド柑橘として高い市場評価を得ていますが、今後の展望として以下の方向性が注目されます。
- 地域ブランドのさらなる強化:熊本の「肥後グリーンデコポン」、愛媛の「南柑デコ」など
- 6次産業化:ゼリー・ジュース・チューハイなどの加工展開が好調
- 輸出強化:東アジアを中心に、アメリカや東南アジアへの輸出拡大も進行中
- スマート農業の実証拡大:着果センサーや糖度予測AIの導入が進む
また、**機能性表示食品化(抗酸化成分・ビタミンC強化)**や、家庭向け小玉サイズ品種の開発も進んでいます。
デコポンとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
デコポンはミカン科ミカン属の柑橘類「不知火(しらぬい)」の中でも、糖度13度以上・酸度1.0%以下のものに与えられる名称(商標)です。
その名の通りヘタ付近に「デコ(突起)」がある独特の外観を持ち、糖度が非常に高く、香り豊かで果汁も豊富です。
主成分はビタミンC、クエン酸、β-クリプトキサンチン、カリウムなどで、免疫力向上・美肌・疲労回復などの効果が期待されます。
食べ方は皮を手でむいてそのまま食べられ、ゼリー・ジュース・コンポートなどの加工品にも利用されています。
デコポンに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のデコポンの生産量は?
A1: 年間約58,000トンで、中晩柑類の中でも人気・流通量ともにトップクラスです。
Q2: デコポンの主な生産地は?
A2: 熊本県、愛媛県、佐賀県、和歌山県など、温暖沿岸部が中心です。
Q3: デコポンの収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 令和5年は前年比+1.7%で、やや増加傾向にありました。
Q4: 世界一のデコポン生産国はどこ?
A4: 中国が最大ですが、品質・規格の厳密さでは日本産がトップと評価されています。
Q5: デコポンは輸入されているのか?
A5: 基本的に国内産が中心で、輸入は少ないです(加工品輸入は一部あり)。
Q6: デコポンの価格はどのくらいか?
A6: 小売価格は1玉200〜500円程度。贈答用では1kgあたり1,000円を超えることもあります。
Q7: デコポンは家庭で栽培できるか?
A7: 温暖な地域では可能です。庭植え・鉢植えで育てることもでき、家庭果樹として人気です。
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