本記事では、日本国内のなすの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。データは農林水産省「令和4年産 作況調査(野菜)」(2025年2月28日公表)に基づいています。
なすは焼き物・煮物・揚げ物など、和洋中さまざまな料理で使われる万能野菜です。この記事では、都道府県別の収穫量だけでなく、前年との比較や世界各国との生産量比較、さらには栽培課題・将来展望までを網羅的に解説します。
なすの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | 高知県 | 41,700 | 13.4 |
2 | 熊本県 | 41,400 | 13.3 |
3 | 群馬県 | 33,400 | 10.7 |
4 | 福岡県 | 22,900 | 7.3 |
5 | 茨城県 | 21,000 | 6.8 |
6 | 栃木県 | 18,600 | 6.0 |
7 | 愛知県 | 16,400 | 5.3 |
8 | 宮崎県 | 14,300 | 4.6 |
9 | 岐阜県 | 8,600 | 2.8 |
10 | 滋賀県 | 7,900 | 2.5 |
高知県と熊本県が全国生産の2トップとして拮抗しており、ハウス促成栽培による冬春出荷が主力です。群馬・茨城などは露地・施設の併用で夏秋出荷を中心とし、全国でリレー出荷体制が構築されています。
なすの収穫量を前年比較
令和3年→令和4年の主な変動は以下の通りです:
- 高知県:+2.1% … 設備更新と単収向上により増加
- 熊本県:±0.0% … 安定生産を維持
- 群馬県:▲1.5% … 夏場の高温による着果不良が一部で影響
- 茨城県:+3.4% … 作付面積の拡大と天候安定による増収
なすは夏秋と冬春の両シーズンに出荷される重要果菜類であり、施設栽培を中心に供給の安定が進んでいます。
日本のなす生産量の実態
日本全体のなす収穫量は約312,000トンで、果菜類の中でもトップクラスの生産規模を誇ります。加熱料理との相性が良く、業務用・家庭用ともに需要が安定しているのが特徴です。
- 冬春期(11月〜5月):高知・熊本・宮崎など → ハウス栽培中心
- 夏秋期(6月〜10月):群馬・茨城・東北など → 露地および半促成
また、「長なす」「米なす」「賀茂なす」など品種バリエーションも豊富で、地域ごとに特色ある出荷が展開されています。
なすの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(万t) |
---|---|---|
1 | 中国 | 約3,600 |
2 | インド | 約1,200 |
3 | エジプト | 約130 |
4 | トルコ | 約90 |
5 | インドネシア | 約80 |
6 | 日本 | 約31.2 |
世界全体の生産量は約5,500万トン超で、その6割以上を中国が生産しています。インドやエジプトもなすの主要生産国として存在感を示しており、日本は生産量こそ少ないものの、品質・選別精度・鮮度流通に優れた安定市場を形成しています。
なすの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方式と地域
- 冬春栽培(ハウス促成):高知・熊本・宮崎
- 夏秋栽培(露地・半促成):群馬・茨城・福岡・東北
- 周年栽培:一部で高設ハウスや環境制御ハウスを導入
栽培課題
- 高温障害:30℃超で花落ち・実肥大不良のリスク
- 病虫害:萎凋病・灰色かび病・アブラムシ・ハダニなど
- 労働負担:収穫頻度が高く、労働集約的
- 価格変動:供給過多期には価格下落のリスク
対策として、耐暑性品種・病害抵抗性品種の普及、スマート農業による環境制御、ロボット収穫支援などが期待されています。
日本産なすの将来性
今後のなす産業の展望として、以下の点が挙げられます:
- 地域ブランド化:「くろべえ(熊本)」「土佐のなす(高知)」など地元銘柄拡充
- 6次産業化:なす漬け・揚げ浸し・レトルト食品への加工需要拡大
- 外食・コンビニ連携:惣菜やミールキットなどへの需要増
- 輸出強化:アジア圏への鮮度保持技術を活かした輸出拡大
- スマート農業推進:環境モニタリング・ドローン・AI診断の活用
なすは果菜類の中でも収益性が高い作物であり、生産技術と流通体制を両立させることで、さらに競争力のある分野となるでしょう。
なすとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
なす(Solanum melongena)はナス科ナス属の果菜で、原産地はインドとされます。主に**果実(果皮・果肉)**を食用とし、加熱することで旨味と油の相性が引き立ちます。
栄養面では:
- ナスニン(ポリフェノール):抗酸化作用
- カリウム:塩分排出を促進
- 食物繊維:整腸効果
- 低カロリーでダイエット中の食材としても人気
食べ方は、焼きなす、煮びたし、麻婆なす、揚げびたし、炒め物、グリル、漬物など多彩で、家庭用・業務用ともに調理幅が広い野菜です。
なすに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のなすの生産量は?
A1: 年間約31.2万トンで、果菜類としてトップクラスの出荷量を誇ります。
Q2: 主な生産地はどこ?
A2: 高知県・熊本県・群馬県の3県で全体の約37%を占めます。
Q3: 収穫量は前年と比べてどう変化した?
A3: 高知や茨城では増加、群馬ではやや減少するなど地域差があります。
Q4: 世界一のなす生産国は?
A4: 中国で、全世界の約65%以上を生産しています。
Q5: 日本はなすを輸入している?
A5: 基本的に国産が中心で、一部冷凍・加工用のみ輸入があります。
Q6: なすの価格はどれくらい?
A6: 小売価格は1本あたり60〜100円前後で、季節や天候により変動します。
Q7: なすは家庭菜園でも育てられる?
A7: 育てやすく、日当たりと水はけが良ければプランターでも可能です。病虫害対策がカギになります。
コメント