本記事では、日本国内のターサイの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは農林水産省「令和4年産 作況調査(野菜)」(2025年1月公表)の確報に基づいています。
ターサイは中華料理によく使われるアブラナ科の野菜で、黒緑色の葉と強い縮れが特徴です。炒め物、鍋物、漬物などに使われる個性的な葉物野菜として、主に冬季に多く出回ります。本記事では、都道府県別の収穫量だけでなく、前年の比較、世界の動向、栽培課題や今後の展望までを網羅的に紹介します。
ターサイの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | 茨城県 | 3,270 | 43.2 |
2 | 静岡県 | 960 | 12.7 |
3 | 福岡県 | 620 | 8.2 |
4 | 愛知県 | 510 | 6.7 |
5 | 埼玉県 | 410 | 5.4 |
6 | 千葉県 | 370 | 4.9 |
7 | 熊本県 | 320 | 4.2 |
8 | 岐阜県 | 210 | 2.8 |
9 | 群馬県 | 180 | 2.4 |
10 | 大阪府 | 160 | 2.1 |
茨城県が全国の4割以上のシェアを持つ突出した生産地です。冬場の寒さを活かして結球せずに広がったロゼット状の形が美しく育つのが特長です。
ターサイの収穫量を前年比較
令和3年との比較では以下のような傾向が見られました:
- 茨城県:+2.9% … 低温が続いたことで葉色・品質ともに良好
- 静岡県:+1.5% … ハウス栽培を活用した安定出荷
- 福岡県:▲0.8% … 年末の寒波により一部遅れ
- 愛知県:±0.0% … 平年並みの出荷
- 千葉県:+1.2% … 出荷先の拡大と加工業務用の需要増
全国的にはほぼ前年並み〜微増傾向であり、冬季の低温が良品質の確保につながりました。
日本のターサイ収穫量の実態
日本のターサイ収穫量は約7,600トン前後で、ニッチな葉物野菜として一部の地域や業務用需要を中心に栽培が拡大しています。
- 栽培面積:約220ha
- 出荷形態:生鮮(袋詰め)、業務用カット、鍋物セット用
- 主な出荷時期:11月〜2月(露地)/通年(施設)
寒さに強いため、露地で育てると甘味と歯ごたえが増し、調理にも適した仕上がりになります。
ターサイの世界収穫量ランキング
ターサイは「中国野菜」の一種で、国際統計上は小松菜やチンゲンサイなどと一括りにされるため、個別の統計は存在しません。以下は参考として、広義のアブラナ科中国野菜(Leaf Mustard類)に含まれる国別推定生産量です。
順位 | 国名 | 生産量(推定 t)*(類縁種含む) |
---|---|---|
1 | 中国 | 約14,000,000 |
2 | インド | 約1,100,000 |
3 | 韓国 | 約400,000 |
4 | 日本 | 約7,600 |
5 | 台湾 | 約6,000 |
**ターサイの本場は中国で、炒青菜や煮物などの伝統料理に広く用いられています。**日本では1980年代以降、業務用中華野菜として需要が広がりました。
ターサイの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方式と地域
- 露地栽培(冬季)中心、一部施設栽培あり
- 寒さに強く、気温が下がるほど色つや・食味が向上
- 主産地:茨城、静岡、福岡、愛知、埼玉など
栽培上の課題
- 春先以降の高温に弱く、病害(白さび病・根腐れ)も発生しやすい
- 鮮度保持・袋詰め工程に手間がかかる
- 流通量が少なく、価格変動が大きい
- 知名度が限定的で販路拡大に課題
これらの課題に対し、作型の見直し、省力化資材の導入、JAや産地による販促活動が進められています。
日本産ターサイの将来性
今後、ターサイは以下の分野で注目が高まりそうです:
- 中華・エスニック料理の普及による家庭内需要の拡大
- 鍋物用・カット野菜ミックスへの加工利用の増加
- 抗酸化性を活かした機能性野菜としてのブランディング
- 都市型農業・スマート農業による周年供給体制の強化
色彩・栄養・機能性に優れた冬の葉物野菜として、地域ブランド化や6次産業化との親和性も高く、差別化しやすい品目です。
ターサイとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
ターサイ(Brassica rapa var. rosularis)はアブラナ科アブラナ属の中国野菜の一種で、黒緑色の縮れた葉がロゼット状に広がるのが特徴です。別名「黒葉小松菜」とも呼ばれます。
栄養価:
- βカロテン、ビタミンC、鉄分、カリウムが豊富
- 抗酸化性に優れ、冬野菜としての栄養価も高い
- アクが少なく、調理のしやすさも評価されています
食べ方:
- 中華炒め、スープ、鍋、胡麻和え、クリーム煮、キッシュなど
- 加熱しても色・食感が残るため料理映えにも優れています
ターサイに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のターサイの生産量は?
A1: 年間約7,600トンで、主に冬期に露地栽培されています。
Q2: 主な生産地はどこ?
A2: 茨城県が圧倒的なシェアを持ち、静岡県、福岡県などが続きます。
Q3: 収穫量は前年と比べてどう?
A3: 寒波による品質向上などで、全国的には微増傾向でした。
Q4: 世界一のターサイ生産国はどこ?
A4: 中国です。ターサイを含む広義のアジア葉物で世界の大半を占めます。
Q5: 日本はターサイを輸入していますか?
A5: 生鮮品は基本的に国産でまかなわれていますが、種子や冷凍野菜の一部は輸入があります。
Q6: ターサイの価格帯は?
A6: 1袋150〜250円前後が一般的で、季節によって価格差があります。
Q7: 家庭菜園で育てられますか?
A7: はい。寒さに強く、害虫も少ないため、冬の家庭菜園向きです。
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