ラズベリーの都道府県別収穫量ランキングと世界の生産量比較【最新】

ラズベリーの都道府県別収穫量ランキングと世界の生産量比較【最新】 果物の収穫量・生産量ランキング

甘酸っぱくてみずみずしいラズベリーは、スイーツや朝食のアクセントとして人気の果物です。しかし、いざ選ぼうとすると、品種や産地、冷凍・生の違いなど、選択肢が多くて迷ってしまうことも。そこで今回は、おすすめのラズベリーをランキング形式でご紹介します。味や使いやすさ、コスパなどを基準に、あなたにぴったりのラズベリーを見つけましょう。

ラズベリーの収穫量ランキング【都道府県別】

収穫量トップの都道府県(2018年時点)

 秋田県 2.4 t(全国シェア 51.1%)

 山形県 1.4 t(全国シェア 29.8%)

 北海道 0.9 t(全国シェア 19.1%)

全国合計は4.7 tで、秋田・山形・北海道の3道県でほぼ100%を占めています。

最新の傾向(2021年データ)

  • 2021年時点の総収穫量は約5.4 tで、前年より若干増加。
  • 生産地は北海道・秋田・山形にほぼ限られており、他の都道府県ではほとんど生産が確認されていません。

ラズベリーの収穫量を前年比較

年度別全国収穫量の推移

  • 2017年 全国で 6.9 t(秋田2.8t、山形2.2t、北海道1.9t)
  • 2018年 全国で 4.7 t(秋田2.4t、山形1.4t、北海道0.9t)
  • 2021年 全国で 5.4 t(秋田・山形・北海道のみで構成)

年度間比較

  • 2017→2018年
    • 全国で約30%減少(6.9t → 4.7t、‑2.2t)
  • 2018→2021年
    • 全国で約15%増(4.7 t → 5.4 t、+0.7 t)

考察ポイント

  上下変動が大きい生産傾向
2017年から18年にかけて大きく減少した後、2021年には回復傾向が見られます。
  主産地の安定性
生産地域は秋田・山形・北海道のみで、他県での生産はほぼゼロのまま。急激な変動も主産地で起きていると推察されます。

まとめ表

年度全国収穫量前年比
2017年6.9 t
2018年4.7 t−30%(−2.2 t)
2021年5.4 t+15%(+0.7 t vs 2018年)

日本のラズベリー生産量の実態 

日本におけるラズベリー生産は非常に小規模で、かつ特定の地域に集中しています。その実態を最新データをもとに整理しました。

国内生産量の現状(2021年)

  • 全国合計 約5.4トン
    これは日本中で栽培・収穫されるラズベリーの総量であり、非常に少ない規模です。
  • 主な生産地
    秋田・山形・北海道の3県でほぼ100%を生産 ※他県でもごく小規模な栽培あり。

県別シェア

以下は2018年のシェアですが、傾向として現在も同じ構図です:

都道府県生産量(t)全国シェア(推定)
秋田県2.4約51%
山形県1.4約30%
北海道0.9約19%

※小規模ながら、秋田県五城目町・大仙市、大館市など、山形県では新庄市・舟形町・飯豊町、北海道では帯広・仁木・長沼が代表的な産地。

なぜ生産量が少ないのか?

  • 市場性・物流 ブルーベリーやいちごに比べて市場規模が小さく、集荷・販売が難しい。
  • 栽培面積 2021年で国内全体の面積は数ヘクタール程度にとどまり、商業的に大規模展開ができない。
  • 省略されがちな統計 果樹統計の公式 데이터では、「主要カテゴリー」に含まれないため公表が遅く、変動も見えづらい。

ラズベリーの世界収穫量ランキング

世界のラズベリー生産ランキング(2023 & 2022)

FAOSTATやHelgi Libraryなどのデータによると

順位国名生産量(t)世界シェア
1ロシア約219,300 t(2023)約23% 
2メキシコ約212,300 t(2022)
3セルビア約110,600 t(2021) 
4ポーランド約103,900 t(年不明) 
5アメリカ合衆国約81,000 t(年不明)
  • ロシアが圧倒的で、2016年以降ずっと首位を維持し、2023年は約22–23%の世界シェアを占めます。
  • メキシコは2000年代以降急成長し、2022年には2位に浮上
  • セルビアポーランド米国が追随する形で続いています。

グローバル動向と市場分析

  • 2022年の世界生産総量は約948,000トンで、10年前比で約40%増加
  • 上位3カ国は世界生産の約53%、上位10カ国で約90%を占める大規模集中型の構造です。
  • メキシコは冬季の栽培体制を確立し、ロシアを追い抜く勢いを見せています。

ラズベリーの栽培状況と収量向上への課題

日本や海外でのラズベリー栽培状況と「収量向上の課題」を、以下の3つの視点で整理しました。

主な品種

ラズベリー(Rubus spp.)には赤実・黄実・黒実など複数のタイプがあり、品種も多数存在します。以下は日本および世界で流通している主なラズベリー品種を用途・特徴別に整理したものです。

赤実ラズベリー(最も一般的)

品種名特徴
ヘリテージ(Heritage)世界的に普及。二季成り。中粒、酸味やや強めで加工向き。
サマーフェスティバル夏収穫、香りが良く甘い。日本でも普及が進む。
チューリップ(Tulameen)一季成り。大粒で生食向き、果肉がしっかり。カナダ発。
ラズベリーレッドジュエル日本育成品種。香りが良く色鮮やかでジャムに最適。
ポルカ(Polka)ポーランドで多い品種。二季成り。糖度が高く果肉もしっかり。

黄実ラズベリー(珍しいが人気)

品種名特徴
フォールゴールド(Fall Gold)二季成り。黄金色で酸味少なく甘い。生食・観賞用にも。
アンバークイーン(Amber Queen)果肉やわらかく、香りが強い。加工やギフト向け。

黒実ラズベリー(ブラックラズベリー)

品種名特徴
ブラックキャップ(Black Cap)アメリカ原産。ポリフェノール豊富で機能性評価が高い。
ジュエル(Jewel)病気に強く、果実がしっかり。濃い味と色で加工用に◎。

日本原産・野生種(参考)

種名特徴
ウラジロエゾイチゴ北海道・東北に自生。耐寒性強く、香り豊か。育種素材にも活用。
クマイチゴ本州以南に自生。甘酸っぱく、山野草的な魅力あり。

用途別おすすめ

  • 生食向き Tulameen, Fall Gold, Heritage(甘み・粒感重視)
  • ジャム・加工向き Heritage, Red Jewel, Polka(香り・酸味)
  • 観賞・珍品種 Fall Gold(黄)、Black Cap(黒)、Amber Queen

栽培環境・栽培技術の現状

  • 適地選定と土壌管理
    ラズベリーは冷涼な気候、排水性の良い深い土壌(pH6〜7)を好みます。日本でも関東以北の寒冷地での地植え栽培や、西南暖地の鉢植えが実用されています。定期的な土壌検査や、有機質投入(堆肥・完熟肥料)により栄養バランスを整えるのが基本です。
  • 灌水・マルチング
    ドリップ灌水によって水分のムラを防ぎ、病害リスクを低減しつつ収量を最大30%まで向上させるという報告もあります。マルチ素材(ワラやチップ)は水分保持・雑草抑制・地温安定に効果的です。
  • 支柱・トレリスによる枝管理
    茎(第一次枝・第二次枝)を立たせる仕立て方や高トレリスは、通気性・日照を高め、収穫効率をUP。特に二季成り品種は管理が重要です。

病害虫対策と遺伝的改良の取り組み

  • 主要病害
    葉斑(Raspberry leaf spot)などの真菌性病害が生産性を脅かします。通気を良くし、耐病性品種の選定や定期的な剪定・衛生管理が予防に必須です。
  • 育種・新品種開発
    北海道では野生種「ウラジロエゾイチゴ」を使い、「収穫期前倒し」「香り強化」「耐環境性向上」を狙う交雑育種が進んでいます。他国でもトンネル栽培に適した改良品種や、高抗病性・省力化向けの品種が研究されています。

収量向上と経営課題

  • 技術体系の未整備
    日本国内では栽培事例が少なく、収量が安定しない理由のひとつとして、統一された栽培マニュアルやノウハウが不足していることが挙げられています。山形では研究機関との協力による技術確立・情報共有が進められています。
  • 省力化・作業効率化の工夫
    根域制限栽培や雨除け構造、そしてV字や多主軸の樹形管理によって、収穫量と作業効率の両立が可能であると農研機構でも報告されています。
  • 高コスト・小規模経営との対峙
    ラズベリーは収量は少ないながらも、収益性を上げるためには高度な施設栽培技術や省人化が不可欠で、初期投資や運用コストが課題です。技術・品種開発に加え、小口栽培者への普及支援が求められています。

日本産ラズベリーの将来性 

日本産ラズベリーの将来性について、栽培・市場・技術の観点から整理しました。

 栽培面での挑戦と改良見通し

  • 気候適応・品種育成の進展
    高温多湿の日本では既存品種が安定しにくい中、福島・矢祭町の農家・研究者が8年をかけて「日本の風土に合う強健・多収量品種」を育成。試験栽培では収量が従来品種の約3倍に達し、ホテル・製菓業界から引き合いがあるほどの品質改善が見られる。
    また、東京農業大学でも複数品種の比較試験を通じて、糖度・日持ち性・抗酸化能などの特性差を明らかにし、日本人嗜好に合う新品種の育成が進んでいる。
  • 国内独自品種の確立
    国内育種や農大学による選抜により、今後「国産ならでは」の品種が市場に出てくる準備が進行中で、育種期間の短さもラズベリーの強みとして期待される。

市場環境と加工ビジネスの拡大

  • 加工市場の急成長
    ラズベリーの「深加工」(冷凍果実、冷凍IQF、粉末、ピューレ、ジャム等)は、健康志向や機能性食品ブームと相まって、CAGR6%で成長中。2024年時点で約1,200万ドル規模、2033年には1,800万ドルに達する見通し。
    技術革新(フリーズドライ、コールドプレス)やオンライン流通の強化で、原料としての国産需要も高まる可能性があります。
  • 付加価値商品の開発余地
    機能性(抗酸化性、ビタミン等)と「国産」「無農薬」「オーガニック」の強みを活かした加工品は、差別化されたプレミアム市場で評価されやすい環境にあります。

今後の課題と対応策

   供給量の確保と安定化
生産量はまだ輸入比1%前後と微少。原料不足には品種改良・生産拡大が不可欠f

   流通・物流体制の整備
鮮度維持と低温輸送コストの課題があり、IQFや冷凍・濃縮加工で物流のネックを回避する必要があります。

   技術普及とノウハウ共有
国内で栽培マニュアルや栽培者コミュニティが未成熟。成功事例の情報発信と技術開発が急務です。  

   消費者啓蒙と需要創出
「国産ラズベリー」という概念自体がまだ新しく、健康・食体験価値を伝えるためのマーケティングが重要です。

ラズベリーとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ

ラズベリー(raspberry)は、鮮やかな赤や黒、黄色などの小さな果実で、甘酸っぱく香り高いベリー類のひとつです。ここでは、ラズベリーの基本情報から栄養価、品種、食べ方までをまとめます。

ラズベリーとは?

ラズベリーはバラ科キイチゴ属(Rubus)の果実で、日本では「フランボワーズ」とも呼ばれます。ヨーロッパや北米が原産で、近年では日本でも少しずつ栽培が増えています。

  • 学名 Rubus idaeus(赤実種)
  • 旬 6〜7月(夏)、一部は秋にも収穫される「二季成り品種」あり
  • 特徴 果実は小粒で中空、ふわっとした食感と濃い香りが魅力

ラズベリーの栄養価と健康効果

栄養素含有量(100gあたり)効果・特徴
食物繊維約4.7g整腸・便秘予防、満腹感持続
ビタミンC約26mg抗酸化・美肌・免疫サポート
ビタミンE少量抗酸化作用
エラグ酸(ポリフェノール)豊富抗酸化・抗がん・抗炎症作用
カリウム約150mgむくみ予防・血圧調整
キトサン、ケルセチン微量抗菌・抗ウイルス・脂肪代謝改善

  低糖質・低カロリー(約41kcal/100g)でダイエット向き。
    抗酸化力が高く、アンチエイジングや生活習慣病予防にも効果的とされます。

おすすめの食べ方

  そのまま生食で
 洗って軽く冷やせば、香りと酸味が引き立ちます。

  スムージー・ヨーグルトに
 冷凍果実も使いやすく、朝食・おやつに最適。

  ジャムやソース
 酸味があるので、砂糖との相性◎。チーズケーキや肉料理のソースにも合います。

  焼き菓子・タルトに
 色鮮やかで香りがよく、マフィン・ガトー・パイなどに最適。

  紅茶・ハーブティーに添えて
 乾燥ラズベリーをハーブブレンドに加えると香りと酸味が増します。

ラズベリーに関するよくある質問【FAQ】

Q1. ラズベリーの旬はいつですか?

A. 一般的に6月~7月頃が旬です。二季成り品種では9〜10月にも収穫されることがあります。地域や品種によって異なります。

Q2. ラズベリーは生で食べられますか?

A. はい、生食が可能です。甘酸っぱくて香り高く、冷やしてそのまま食べたり、ヨーグルトやシリアルに添えると美味しいです。

Q3. ラズベリーは冷凍できますか?

A. はい。冷凍しても栄養価は比較的保たれます。冷凍のままスムージーやジャムに使うのがおすすめです。

Q4. ラズベリーの栄養価にはどんな特徴がありますか?

A. ビタミンCや食物繊維、エラグ酸などのポリフェノールが豊富で、抗酸化作用・美肌・整腸効果が期待されます。低カロリーでダイエット中にも◎。

Q5. ラズベリーとブラックベリーの違いは?

A. ラズベリーは実がもろく、中が空洞。ブラックベリーはより大きく、中心に芯(果床)が残ります。味もラズベリーのほうが香り高く酸味が強めです。

Q6. 家庭で育てることはできますか?

A. できます。鉢植えでも可能で、日当たりと水はけの良い場所を好みます。品種によっては病害に強く初心者向けのものもあります(例:フォールゴールド)。

Q7. ラズベリーの保存方法は?

A. 冷蔵で2〜3日以内に食べるのがベスト。長期保存したい場合は冷凍がおすすめです。洗ってからではなく、乾いたまま冷凍してください。

Q8. アレルギーはありますか?

A. ラズベリー自体のアレルギーは稀ですが、まれに口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすことがあります。心配な場合は医師にご相談を。

Q9. ラズベリーはどこで買えますか?

A. スーパーでは輸入冷凍品が主流です。国産生果実は期間限定で直売所や通販で入手可能。加工品(ジャム・ジュースなど)は通年販売されています。

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