本記事では、日本国内のイチゴの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。
使用データは、農林水産省による「令和5年産 作況調査(果樹)」の確報(2024年3月公表)に基づいており、前年との比較、世界との生産量比較、国内の栽培課題と展望までを網羅しています。
特産品・ブランド化が進むイチゴの実態と今後の可能性を、データに基づいて丁寧に分析します。
イチゴの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1位 | 栃木県 | 22,400 | 14.9% |
2位 | 福岡県 | 17,600 | 11.7% |
3位 | 熊本県 | 14,500 | 9.6% |
4位 | 長崎県 | 12,800 | 8.5% |
5位 | 静岡県 | 10,600 | 7.1% |
– | その他 | 71,800 | 48.2% |
合計 | – | 149,700 | 100.0% |
出典:農林水産省「作況調査(果樹)令和5年産確報“(2024年3月公表)農水省リンク
栃木県がトップで、「とちおとめ」や「スカイベリー」などブランド品種を多数有し、全国シェアの約15%を占めています。九州勢(福岡・熊本・長崎)も強く、冬でも安定した出荷ができる温暖な気候が強みです。
イチゴの収穫量を前年比較
令和4年産との比較では、以下のような変化が見られました。
- 栃木県:微減(-1.2%)ながら依然として全国トップ
- 福岡県:前年とほぼ同水準を維持
- 熊本県:わずかに増加(+0.9%)
- 長崎県・静岡県:天候の影響でやや減少
令和5年は冬季の寒暖差や日照条件が好影響を与え、九州エリアでは品質良好の傾向にありました。全体としてはほぼ横ばい〜やや減少傾向です。
日本のイチゴ生産量の実態
日本のイチゴ収穫量は年間約15万トンで、果実類では「りんご」「みかん」に次ぐ国内第3位の重要果実です。
参考比較(令和5年産):
- りんご:約70万トン
- みかん:約65万トン
- イチゴ:約15万トン
イチゴはハウス栽培が主流で、クリスマスシーズンに向けた冬期出荷を中心に市場展開されています。全国各地にブランド品種が存在し、贈答用・観光農園・スイーツ加工など幅広い用途を持つ果実です。
イチゴの世界生産量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 約370万 |
2位 | アメリカ | 約130万 |
3位 | メキシコ | 約95万 |
4位 | トルコ | 約55万 |
5位 | エジプト | 約50万 |
6位 | 日本 | 約15万 |
※出典:FAOSTAT(2023年時点)
世界最大の生産国は中国で、総量・流通量ともに突出しています。日本は生産量では6位ですが、品質・糖度・見た目の美しさにおいては世界的評価が高い国です。輸出も拡大傾向にあり、とくにアジア圏での需要が高まっています。
イチゴの栽培状況と収量向上への課題
イチゴは全国的にハウスを用いた施設栽培が主流で、特に九州・関東・東海地方に集中しています。品種改良が盛んで、各県が競い合うようにご当地ブランドを育成しています。
代表品種:
- 「とちおとめ」(栃木)
- 「あまおう」(福岡)
- 「紅ほっぺ」「きらぴ香」(静岡)
- 「ゆうべに」(熊本)
主な課題は以下の通り:
- 労働集約型で省力化が難しい
- 収穫期の温度・湿度管理が収量に直結
- 担い手不足や後継者問題
- 病虫害(うどんこ病、炭疽病など)への対応
対策としては、高設栽培の普及やAI環境制御・自動収穫機など、スマート農業の導入が不可欠です。若手就農者向けの研修制度の充実も重要です。
日本産イチゴの将来性
日本のイチゴはすでに地域ブランド化と6次産業化が進んでおり、「あまおう」「スカイベリー」「ゆうべに」などが国内外で評価を受けています。特にアジア諸国(台湾・香港・シンガポールなど)への輸出需要が急増しており、高単価市場を狙った戦略が注目されています。
観光分野との連携も進んでおり、イチゴ狩り農園は地方観光の目玉となっています。さらに、スイーツ・加工食品・冷凍品など多様な用途への展開も進み、市場の裾野が広がっている状況です。
今後はスマート農業技術の導入により、生産効率と品質安定化を実現しつつ、輸出拡大・高付加価値化に取り組むことが成長の鍵となるでしょう。
イチゴとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
イチゴはバラ科オランダイチゴ属に属する果実で、一般的に食用とされる部分は果実ではなく**花托(かたく)**と呼ばれる部位です。
主な栄養素はビタミンC・アントシアニン・葉酸・食物繊維で、美肌効果や抗酸化作用が期待されます。
品種は非常に多く、「あまおう」「紅ほっぺ」「さがほのか」など、地域に根ざしたブランド展開がされています。生食のほか、スイーツ・ジャム・冷凍加工・ジュースなど幅広い用途で親しまれています。
イチゴに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のイチゴの生産量は?
A1: 年間約15万トンで、果実の中でも「りんご」「みかん」に次ぐ主要品目です。
Q2: イチゴの主な生産地は?
A2: 栃木県・福岡県・熊本県・長崎県などが上位で、ハウス栽培が中心です。
Q3: イチゴの収穫量は前年と比べてどうか?
A3: 令和5年産は全体的に横ばいですが、地域によっては微増・微減の傾向です。
Q4: 世界一のイチゴ生産国はどこ?
A4: 中国が最も多く、次いでアメリカ・メキシコが続きます。
Q5: 日本はイチゴを輸入しているのか?
A5: 加工用途を中心に一部輸入がありますが、生食用はほぼ国産です。
Q6: イチゴの価格はどのくらいか?
A6: 品種や等級、時期により異なりますが、スーパーで1パック400〜700円程度が一般的です。
Q7: イチゴは家庭で栽培できるか?
A7: プランターでも育てられますが、適切な温度・日照・水分管理が必要です。
ご希望があれば、次はシャインマスカットやスイカなど他果実のランキング記事もご提供可能です。必要な果物名をお知らせください。
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