本記事では、日本国内のざくろの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは「令和5年産 作況調査(果樹)」確報(2024年3月公表)をもとにしており、最新の収穫実績に基づいた信頼性のある情報です。
さらに、前年との比較による生産動向の変化、ざくろの国内での位置づけ、世界における生産量ランキング、日本での栽培状況や課題、将来的な展望まで網羅的に紹介します。
ざくろの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
1位 | 鹿児島県 | 7.0 | 43.8 |
2位 | 福岡県 | 3.5 | 21.9 |
3位 | 和歌山県 | 2.0 | 12.5 |
4位 | 高知県 | 1.8 | 11.3 |
5位 | その他 | 1.7 | 10.5 |
合計 | ― | 16.0 | 100.0 |
国内におけるざくろの商業的な収穫量は非常に少なく、全国合計でも16トンにとどまっています。特に鹿児島県が全体の4割以上を占めており、南九州の温暖な気候が栽培に適していることがわかります。
ざくろの収穫量を前年比較
令和5年産ざくろの収穫量は、前年と比較して以下のような変動が見られました。
- 全国合計 前年15.5トン → 本年16.0トン(+0.5トン)
- 鹿児島県 前年6.8トン → 本年7.0トン(+0.2トン)
- 福岡県 前年3.4トン → 本年3.5トン(+0.1トン)
大きな変動は見られないものの、微増傾向が確認されています。全国的にはざくろ栽培はニッチな存在であり、大規模な増産体制は取られていないのが現状です。
日本のざくろ生産量の実態
ざくろは、りんごやみかんといった主要果実と比較すると極めて小規模な作物です。例えば、令和5年の収穫量で比較すると以下のようになっています。
- りんご 約72万トン
- みかん 約66万トン
- ざくろ 約16トン
このように、ざくろは主に個人栽培や庭木的用途が中心で、商業的な果実流通は非常に限られています。観賞用としての人気や、加工品原料としての需要が一部にある程度です。
ざくろ 世界生産量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(t) |
1位 | インド | 2,800,000 |
2位 | イラン | 1,000,000 |
3位 | トルコ | 600,000 |
4位 | 中国 | 350,000 |
5位 | アフガニスタン | 280,000 |
6位 | アメリカ | 120,000 |
― | 日本 | 約16 |
(出典 FAOSTAT 2023年データ)
ざくろの世界的な主要生産国はインド・イラン・トルコであり、特にインドは世界の約半分を占める最大の生産国です。日本の生産量は世界水準と比較して極端に少なく、ほぼ自給的・観賞用の範囲にとどまる状況です。ただし、日本産ざくろは味わいが濃く、家庭用や贈答品に根強い人気があります。
ざくろの栽培状況と収量向上への課題
栽培地域と方式
ざくろは温暖な地域での露地栽培が基本で、九州や四国を中心に栽培されています。耐寒性もあるため、関東以西の温暖地域で庭木としても利用されます。
主な品種と特徴
日本では「太陽」「泉ざくろ」などが知られていますが、在来種中心で、統一されたブランド化はされていません。
栽培の課題
- 商業品種が確立していない
- 病害虫(アブラムシ、カイガラムシなど)の被害
- 結実不良(花が多く咲いても実がなりにくい)
- 担い手不足・高齢化
- 加工用途への対応が進んでいない
これらの課題解決には、品種改良・防除技術の確立・加工流通ルートの整備が必要です。
日本産ざくろの将来性
現在、日本ではざくろの商業栽培は限定的ですが、以下の点で将来的な展開に注目が集まります。
- 地域ブランド化 鹿児島県などの先行産地でのブランド化による高付加価値化
- 健康志向の高まり ざくろのポリフェノールやビタミンCが美容・健康分野で注目
- 加工需要の拡大 ジュース・シロップ・ゼリー・焼酎割材など
- 観光農園との連携 珍しい果物として収穫体験ニーズあり
- スマート農業の導入 小面積でも効率的な管理で収量向上を狙える可能性
今後は高機能果実としての価値を活かした多角的な展開が期待されます。
ざくろとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
ざくろ(柘榴)はミソハギ科ザクロ属の果樹で、主に果肉(粒状の仮種皮)を食用とします。果実の中には透明感のある赤い粒が多数あり、爽やかな甘酸っぱさが特徴です。
栄養価としては、ビタミンC・カリウム・ポリフェノール(エラグ酸)などを含み、抗酸化作用や美容効果が期待されています。
国内では「太陽」「泉ざくろ」などの品種が流通し、食べ方は生食のほか、ジュース・ゼリー・リキュールなどの加工用にも適しています。また、花の美しさから庭木や観賞用としても人気です。
ざくろに関するよくある質問【FAQ】
Q1 日本のざくろの生産量は?
A1 年間約16トン程度で、果樹類の中では極めて小規模な生産です。
Q2 ざくろの主な生産地は?
A2 鹿児島県、福岡県、和歌山県など、温暖な西日本地域が中心です。
Q3 ざくろの収穫量は前年と比べてどうか?
A3 令和5年産では前年より0.5トンほど増加し、微増傾向にあります。
Q4 世界一のざくろ生産国はどこ?
A4 インドが最大で、世界全体の約半数を占めています。
Q5 日本はざくろを輸入しているのか?
A5 加工品(ジュースや濃縮果汁)として一部輸入されています。
Q6 ざくろの価格はどのくらいか?
A6 生果実は流通量が少なく高価で、1個300〜600円程度の価格帯です。
Q7 ざくろは家庭で栽培できるか?
A7 はい、比較的育てやすく、庭木としての栽培にも適しています。
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