本記事では、日本国内のきくらげの収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは農林水産省「令和4年 特用林産物生産統計調査(きのこ類)」(2025年2月公表)の確報に基づいています。
きくらげは、コリコリとした独特の食感と高い栄養価から、中華料理をはじめ様々な料理で利用されるきのこです。かつては輸入品が大半でしたが、近年は国産需要が高まり、生産地の拡大や品質向上が進んでいます。
本記事では都道府県別の生産ランキングに加え、前年との比較、世界の生産構造、日本の課題と将来展望までを詳しく紹介します。
きくらげの収穫量ランキング【都道府県別】
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
---|---|---|---|
1 | 宮崎県 | 619 | 22.7 |
2 | 熊本県 | 366 | 13.4 |
3 | 茨城県 | 236 | 8.6 |
4 | 静岡県 | 170 | 6.2 |
5 | 福岡県 | 165 | 6.0 |
6 | 長野県 | 132 | 4.8 |
7 | 高知県 | 111 | 4.1 |
8 | 鹿児島県 | 108 | 4.0 |
9 | 佐賀県 | 101 | 3.7 |
10 | 大分県 | 95 | 3.5 |
宮崎県が全国の2割超を占めるトップ産地で、九州勢が上位に多くランクインしています。気候と設備条件が整っており、露地栽培・ハウス栽培ともに活発です。
きくらげの収穫量を前年比較
令和3年から令和4年にかけて、主な変化は以下の通りです:
- 宮崎県:+3.0% … 国産需要に応じた増産体制の構築
- 熊本県:+4.5% … 温室栽培の面積拡大が奏功
- 茨城県:±0.0% … 安定出荷を維持
- 高知県:▲1.2% … 夏季の高温影響による一部減収
国産きくらげは市場での差別化が進みつつあり、生産者の意欲も高い傾向にあります。特に乾燥品に加え、生きくらげの流通量が増加しており、新たな需要の掘り起こしが進んでいます。
日本のきくらげ収穫量の実態
日本の年間収穫量は**約2,700トン(うち生きくらげ約1,600トン)**で、近年急速に拡大してきた分野です。
- **かつては輸入品がほぼ100%**だった
- 生産者・産地の努力で国産割合が約20%に上昇(特に生きくらげ)
- 飲食店や加工業者を中心に「国産志向」が高まっている
地域ブランド化やGAP認証など、安全・安心の評価軸での差別化が進展中です。
きくらげの世界収穫量ランキング
順位 | 国名 | 生産量(推定 t) |
---|---|---|
1 | 中国 | 約250,000 |
2 | インドネシア | 約15,000 |
3 | ベトナム | 約10,000 |
4 | タイ | 約8,000 |
5 | 日本 | 約2,700 |
中国が圧倒的なシェアを持つ世界最大のきくらげ生産国で、特に乾燥きくらげの輸出は世界中に供給されています。日本はまだ規模では小さいものの、「生食用の高品質国産きくらげ」市場で独自のポジションを築きつつあります。
きくらげの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方法
- 菌床ブロック栽培(室内・温室で管理)
- 露地ビニールハウス栽培(夏季中心)
- 1作期間:約60〜70日、収穫回数は複数回可能
課題と対策
- 夏の高温ストレス:適温を超えると発生率が低下
- 流通インフラの不足:特に生きくらげは鮮度維持が重要
- 認知度不足:消費者にとってなじみが薄い品目で販促が課題
- 乾燥工程のコスト:燃料費・労力ともに高負担
これらに対し、スマート温湿度制御、6次化による加工体制の構築、学校給食での導入などによる認知向上策が取られています。
日本産きくらげの将来性
きくらげは、今後の健康志向・美容意識の高まりにより、さらなる市場拡大が期待されます。
- 生食用の国産品への評価が上昇中
- コリコリ食感と低カロリー・高食物繊維が注目
- 乾燥だけでなく冷凍・惣菜・パウダー化など用途拡大
- 輸出の可能性(アジア圏・ベジタリアン市場など)
- スマート農業による周年栽培の実現に向けた投資も活発化
とくに「国産生きくらげ」のブランド価値は今後さらに高まっていくでしょう。
きくらげとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
きくらげは、キクラゲ科キクラゲ属に属するきのこで、学名はAuricularia auricula-judae。コリコリとしたゼラチン質の食感が特徴で、主に子実体(耳状部)が食用部分です。
主な栄養素:
- ビタミンD:日光に当てると特に豊富に
- 食物繊維(不溶性)
- 鉄分・カリウム:貧血対策や利尿作用に
- 低カロリー(100gあたり約13kcal)
食べ方は、炒め物、酢の物、和え物、ラーメンの具材、スープや中華惣菜など。乾燥品は水戻しして使用し、生食用はそのまま調理可能です。
きくらげに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のきくらげの生産量は?
A1: 年間約2,700トンで、主に生きくらげが増加傾向にあります。
Q2: 主な生産地はどこ?
A2: 宮崎県、熊本県、茨城県が上位を占めています。
Q3: 収穫量は前年と比べてどう?
A3: 国産需要の高まりにより、全体として微増傾向です。
Q4: 世界一のきくらげ生産国は?
A4: 中国です。乾燥品を中心に世界のほとんどを生産しています。
Q5: 日本はきくらげを輸入している?
A5: はい。乾燥きくらげは現在でも中国からの輸入が主流です。
Q6: 価格はどのくらい?
A6: 生きくらげは100gあたり150〜250円前後、乾燥品は10gで100〜200円程度です。
Q7: きくらげは家庭で栽培できる?
A7: 菌床キットでの家庭栽培も可能です。湿度管理と適温(20〜28℃)がカギとなります。
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