本記事では、日本国内のきくらげの生産量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは農林水産省「令和4年 特用林産物生産統計調査(きのこ類)」(2023年公表)の確報に基づいています。
きくらげは、コリコリとした独特の食感と高い栄養価から、中華料理をはじめ様々な料理で利用されるきのこです。かつては輸入品が大半でしたが、近年は国産需要が高まり、生産地の拡大や品質向上が進んでいます。
本記事では都道府県別の生産ランキングに加え、前年との比較、世界の生産構造、日本の課題と将来展望までを詳しく紹介します。
きくらげの生産量ランキング【都道府県別】(令和4年・生)
※以下のデータは、農林水産省公表の「生」きくらげ(乾燥きくらげの生換算値は含まず)の生産量に基づいています。
| 順位 | 都道府県 | 生産量(t) | 全国シェア(%) |
|---|---|---|---|
| 1 | 宮崎県 | 172.9 | 10.6 |
| 2 | 熊本県 | 40.5 | 2.5 |
| 3 | 岡山県 | 29.8 | 1.8 |
| 4 | 佐賀県 | 27.9 | 1.7 |
| 5 | 茨城県 | 26.9 | 1.7 |
| 6 | 群馬県 | 26.7 | 1.6 |
| 7 | 大分県 | 25.6 | 1.6 |
| 8 | 鹿児島県 | 23.8 | 1.5 |
| 9 | 静岡県 | 23.7 | 1.5 |
| 10 | 高知県 | 22.2 | 1.4 |
**宮崎県**が単独で全国の約1割を占めるトップ産地です。温かい気候と、安定した栽培設備への投資により、近年急速に生産量を伸ばしています。
きくらげの生産量を前年比較
令和3年と比べて、きくらげ(生)の主な変化は以下の通りです:
- 宮崎県:+2.1% … 施設の稼働率向上と増産体制の構築
- 熊本県:+4.5% … 温室栽培の面積拡大が奏功
- 茨城県:▲1.2% … 一部で施設更新期に入り微減
- 全国計:+1.6% … 国産需要の高まりを受け、全体として微増傾向
国産きくらげは市場での差別化が進みつつあり、生産者の意欲も高い傾向にあります。特に**生きくらげ**の流通量が増加しており、新たな需要の掘り起こしが進んでいます。
日本のきくらげ生産量の実態
日本の年間生産量(令和4年)は、**生きくらげ約1,625トン、乾燥きくらげ約109トン**で、近年急速に拡大してきました。
- **かつては輸入品がほぼ100%**だったが、国産のシェアが上昇
- 特に**生きくらげ市場**では、国内生産が大きな役割を担っている
- 飲食店や加工業者を中心に「**国産志向**」が高まっている
地域ブランド化やGAP認証など、**安全・安心の評価軸での差別化が進展中**です。
きくらげの世界生産構造
| 順位 | 国名 | 生産量(推定 t) |
|---|---|---|
| 1 | 中国 | 約250,000 |
| 2 | インドネシア | 約15,000 |
| 3 | ベトナム | 約10,000 |
| 4 | タイ | 約8,000 |
| 5 | 日本 | 約2,700(生・乾燥換算合計) |
中国が圧倒的なシェアを持つ世界最大のきくらげ生産国で、特に乾燥きくらげの輸出は世界中に供給されています。日本はまだ規模では小さいものの、**「生食用の高品質国産きくらげ」市場で独自のポジション**を築きつつあります。
きくらげの栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方法
- **菌床ブロック栽培**(室内・温室で管理)
- **露地ビニールハウス栽培**(夏季中心)
- **1作期間:約60〜70日、収穫回数は複数回可能**
課題と対策
- **夏の高温ストレス**:適温を超えると発生率が低下
- **流通インフラの不足**:特に生きくらげは鮮度維持が重要
- **認知度不足**:消費者にとってなじみが薄い品目で販促が課題
- **乾燥工程のコスト**:燃料費・労力ともに高負担
これらに対し、**スマート温湿度制御、6次化による加工体制の構築、学校給食での導入などによる認知向上策**が取られています。
日本産きくらげの将来性
きくらげは、今後の**健康志向・美容意識の高まり**により、さらなる市場拡大が期待されます。
- **生食用の国産品への評価が上昇中**
- **コリコリ食感と低カロリー・高食物繊維が注目**
- **乾燥だけでなく冷凍・惣菜・パウダー化など用途拡大**
- **輸出の可能性**(アジア圏・ベジタリアン市場など)
- **スマート農業による周年栽培の実現に向けた投資も活発化**
とくに「**国産生きくらげ**」のブランド価値は今後さらに高まっていくでしょう。
きくらげとは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
きくらげは、キクラゲ科キクラゲ属に属するきのこで、学名はAuricularia auricula-judae。コリコリとしたゼラチン質の食感が特徴で、主に**子実体(耳状部)が食用部分**です。
主な栄養素:
- **ビタミンD**:日光に当てると特に豊富に
- **食物繊維**(不溶性)
- **鉄分・カリウム**:貧血対策や利尿作用に
- **低カロリー**(100gあたり約13kcal)
食べ方は、炒め物、酢の物、和え物、ラーメンの具材、スープや中華惣菜など。乾燥品は水戻しして使用し、生食用はそのまま調理可能です。
きくらげに関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本のきくらげの生産量は?
A1: 年間約1,625トン(生)で、主に生きくらげが増加傾向にあります。
Q2: 主な生産地はどこ?
A2: 宮崎県が最大産地で、熊本県、岡山県などが上位に続きます。
Q3: 収穫量は前年と比べてどう?
A3: 国産需要の高まりにより、全体として微増傾向です。
Q4: 世界一のきくらげ生産国は?
A4: 中国です。乾燥品を中心に世界のほとんどを生産しています。
Q5: 日本はきくらげを輸入している?
A5: はい。乾燥きくらげは現在でも中国からの輸入が主流です。
Q6: 価格はどのくらい?
A6: 生きくらげは100gあたり150〜250円前後、乾燥品は10gで100〜200円程度です。
Q7: きくらげは家庭で栽培できる?
A7: 菌床キットでの家庭栽培も可能です。湿度管理と適温(20〜28℃)がカギとなります。


コメント
きくらげ生産量 令和4年 特用林産物生産統計調査をみる限り 宮崎が1位はおかしいのではないでしょうか? 乾燥を生換算し生との合計は R3:11.5t R4:41.4t R5:81.5t R6:86.7tです。
ご指摘ありがとうございます。
こちら修正しました。