本記事では、日本国内の春菊の収穫量 都道府県ランキングを詳しく解説します。使用データは、農林水産省「令和4年産 作況調査(野菜)」(2023年公表)の確報に基づいています。
独特の香りとほろ苦さが特徴の春菊(しゅんぎく)は、鍋料理やおひたし、天ぷらなどで親しまれ、冬場の定番葉物野菜として広く利用されています。本記事では、収穫量の都道府県ランキング、前年との比較、世界の生産状況、栽培上の課題と展望までを包括的にご紹介します。
春菊の収穫量ランキング【都道府県別】(令和4年産)
| 順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 全国シェア(%) |
|---|---|---|---|
| 1 | 大阪府 | 3,330 | 12.8 |
| 2 | 福岡県 | 2,470 | 9.5 |
| 3 | 千葉県 | 2,430 | 9.3 |
| 4 | 茨城県 | 2,120 | 8.2 |
| 5 | 群馬県 | 2,090 | 8.0 |
| 6 | 兵庫県 | 1,340 | 5.2 |
| 7 | 広島県 | 1,050 | 4.0 |
| 8 | 栃木県 | 1,020 | 3.9 |
| 9 | 埼玉県 | 960 | 3.7 |
| 10 | 福島県 | 907 | 3.5 |
大阪府が全国の約13%を占める最大の春菊産地で、次いで福岡県、千葉県が続きます。近畿や九州、関東の各県が中心となり、施設・露地の組み合わせで周年出荷体制を構築しています。
春菊の収穫量を前年比較(令和4年産)
令和3年産と比べての主な変動は以下の通りです:
- 大阪府:▲2.8% … 一時的な作付け調整による微減
- 福岡県:+3.3% … 品種改良と栽培技術の向上により増収
- 千葉県:+1.7% … 施設化により天候の影響を軽減し安定出荷
- 全国計:▲2.0% … 全体として作付面積が微減傾向で、収穫量も前年を下回りました。
全国的には微減傾向でしたが、施設栽培中心の地域では天候の影響を受けにくく、収量は比較的安定しています。
日本の春菊収穫量の実態
春菊の国内総収穫量は約26,000トンで、葉物野菜としては中規模の生産量に位置します。
- 栽培面積:約1,730ha
- 出荷形態:袋詰めの生鮮品、カット野菜、業務用パック
- 出荷時期:11月〜3月に需要が集中。施設栽培により周年出荷も可能。
加熱調理に向いた香味野菜として、鍋物や煮物の需要期である冬場がピークとなります。
春菊の世界収穫量ランキング
春菊は「garland chrysanthemum」などの名前で一部諸外国でも栽培されていますが、統計上は広義の葉菜類に含まれ、明確な国別統計は少ないため、参考値として類縁作物を含む推定値を掲載します。
| 順位 | 国名 | 生産量(推定 t) |
|---|---|---|
| 1 | 中国 | 約250,000(推定) |
| 2 | 日本 | 約26,000 |
| 3 | 韓国 | 約9,000 |
| 4 | 台湾 | 約5,500 |
| 5 | イタリア | 約1,500(苦味野菜類含む) |
春菊はアジア圏での栽培・消費がほとんどであり、日本が主要な生産・消費国のひとつであることは間違いありません。
春菊の栽培状況と収量向上への課題
主な栽培方式と地域
- 施設栽培・露地栽培の併用
- 主な出荷期は冬場(11月〜3月)だが、一部地域では周年出荷可能
- 主産地:大阪、福岡、千葉、茨城、群馬など
栽培課題
- 高温による徒長や苦味増加
- 病害虫(べと病・アブラムシ)の発生リスク
- 香味が強いため好みが分かれ、需要に波がある
- 収穫・袋詰め作業の手間がかかる
対策として、栽培期間を短縮できる品種の導入、ハウス内環境制御、省力化機器の導入が進んでいます。
日本産春菊の将来性
春菊は以下のような点で今後の注目が集まっています:
- 鍋用野菜セットやカット野菜需要の拡大
- 健康志向に合わせた栄養強化型春菊の開発
- 家庭菜園やベランダ菜園用の小型品種普及
- 香味野菜としてのブランド化(「なにわの伝統野菜」など)
- 輸出向け加工食品原料としての活用
将来的には、香味のコントロールや苦味軽減品種の開発によって、より広範な層への普及が期待されています。
春菊とは?|栄養価・品種・食べ方・特徴まとめ
春菊(Glebionis coronaria)はキク科シュンギク属の葉物野菜で、葉と茎の柔らかい部分を食用とします。東アジア特有の食文化のなかで発展し、日本では主に秋冬野菜として親しまれています。
栄養価:
- βカロテン・カルシウム・ビタミンC・葉酸が豊富
- 香り成分にはリラックス効果や消化促進作用があるとされる
- カロリーは低く、栄養価は高い
品種・タイプ:
- 中葉種:全国で流通している一般的タイプ
- 大葉種:柔らかく、香りが強め
- 立性種:束ねやすく出荷に適した形
用途:
- 鍋料理、炒め物、おひたし、天ぷら、スムージーなど
- 生食向けベビーリーフとしても流通
春菊に関するよくある質問【FAQ】
Q1: 日本の春菊の生産量は?
A1: 年間約2.6万トンで、冬場を中心に全国で出荷されています。(※令和4年産データに基づく)
Q2: 主な生産地は?
A2: 大阪府が最大産地で、福岡県、千葉県、茨城県なども上位に位置します。
Q3: 春菊の収穫量は前年と比べてどう?
A3: 全国的には微減傾向でしたが、施設化が進む産地では安定しています。
Q4: 春菊の生産が多い国はどこ?
A4: 中国が圧倒的ですが、日本も最大級の生産・消費国のひとつです。
Q5: 春菊は家庭でも育てられますか?
A5: はい。発芽率が高く、寒さに強く、プランターでも育てやすい野菜です。
Q6: 春菊の価格帯は?
A6: 1袋150〜250円前後で、冬場は価格が安定しています。
Q7: 生で食べられますか?
A7: はい。柔らかい葉先はサラダやナムルにも適しており、ベビーリーフとしても人気があります。


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